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鍼灸院みらい京都桂

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鍼灸と腸内細菌

腸内フローラに対する鍼灸の効果

腸内細菌叢(腸内フローラ)の研究が世界中で進むなか、鍼灸刺激による腸内フローラへの影響についての研究結果も報告されるようになってきました。

ここでは、動物を用いた基礎研究によって鍼や灸の刺激が腸内フローラの多様性を改善させたとする研究報告を紹介します。

IBS(過敏性腸症候群)と腸内細菌叢に対する灸・鍼通電刺激の効果

『灸刺激は過敏性腸症候群モデルラットの腸内フローラを調整した』

Wang X, Qi Q, Wang Y et al: Gut microbiota was modulated by moxibustion stimulation in rats with irritable bowel syndrome. Chin Med. 13:63.  2018.

【方法】

ラットの直腸にバルーンを挿入し、1分間0.5mlの空気を注入して直腸に拡張刺激を与えた。

これを14日間連続で行いIBS(過敏性腸症候群)モデルラットを作成した。

灸刺激は天枢(ST-25)と上巨虚(ST-37)に5mmの艾スティックを10分間、燃焼させた(7日間)。

鍼通電刺激は天枢(ST-25)と上巨虚(ST-37)に2Hz、4mAで20分間、電気刺激を与えた(7日間)。

【結果】

直腸拡張刺激による腹壁のひっこみ反射(腹筋の収縮)のスコアがIBSモデルラットでは正常ラットに比べて増加したが、灸刺激、鍼通電刺激により減少した。

大腸組織の病理所見はいずれも変化がみられず、正常だった。

IBSモデルラットでは糞便中のラクトバシラス属が減少する一方でバクテロイデス属、プレボテラ、クロストリジウムが増加し、多様性が減少していた。

灸刺激はこれらを改善し、多様性を増加させた

【まとめ】

灸刺激や鍼通電刺激は腸内細菌叢に影響を与え、IBSモデルラットの腹痛や腸管の知覚過敏を改善した。

 

『炎症後の過敏性腸症候群モデルラットの腸内細菌叢における灸の効果』

Bao CH, Wang CY, Li GN et al: Effect of mild moxibustion on intestinal microbiota and NLRP6 inflammasome signaling in rats with post-inflammatory irritable bowel syndrome. World J Gastroenterol. 28; 25(32): 4696-4714. 2019.

【方法】

トリニトロベンゼンスルホン酸を投与して炎症後の過敏性腸症候群モデルラットを作成した。

灸刺激は、足三里(ST-36)と天枢(ST-25)に5mmの艾スティックを10分間、燃焼させた(7日間)。

鍼通電刺激は天枢(ST-25)と上巨虚(ST-37)に2Hz、4mAで20分間、電気刺激を与えた(7日間)。

【結果】

直腸拡張刺激による腹壁のひっこみ反射(腹筋の収縮)のスコアがIBSモデルラットでは正常ラットに比べて増加したが、灸刺激により減少した。

大腸粘膜の軽度の炎症所見が、灸によって改善した。

IBSモデルラットでは、ラクトバシラス、ビフィドバクテリウム、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィが減少し、大腸菌が増加していたが、灸によって改善した。

※フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ:短鎖脂肪酸(特に酪酸)を産生する善玉菌として知られ、抗アレルギー、抗炎症にも働く細菌

【まとめ】

灸刺激は腸内細菌叢(腸内フローラ)に影響を与え、IBSモデルラットの腸管の知覚過敏を改善した。

 

肥満と腸内細菌叢に対する鍼通電刺激の効果

『肥満マウスの腸内フローラの乱れを鍼通電刺激が調整する』

Si YC, Miao WN, He JY et al: Regulating Gut Flora Dysbiosis in Obese Mice by Electroacupuncture. Am J Chin Med. Oct 4 :1-17. 2018.

【方法】

正常マウスより20%体重が増加した肥満マウスに、鍼通電刺激(30Hz,2〜3mA,10分間)を7、14、21、28日間行った。

刺激部位は天枢(ST-25)、関元(CV-4)、足三里(ST-36)、三陰交(SP-6)とした。

【結果】

鍼通電刺激により肥満マウスの体重、総コレステロール値、中性脂肪値、脂肪組織の重量、脂肪細胞の大きさが減少した。

いずれも7日間の鍼通電より28日間の鍼通電の方が減少していた。

また、鍼通電は腸内細菌の菌種を増加させ、腸内細菌叢の多様性を増加、改善した。

【まとめ】

鍼通電刺激は、コレステロールや脂肪を減少させることにより体重を減少させ、肥満による腸内細菌叢の多様性の減少を改善させた。

 

鍼治療は、高脂肪食による腹部内臓肥満ラットの腸内細菌叢を調整する

Wang H, Wang Q, Liang C et al: Acupuncture Regulating Gut Microbiota in Abdominal Obese Rats Induced by High-Fat Diet. Evid Based Complement Alternat Med. 2; 2019: 4958294. 2019.

【方法】

高脂肪のエサを12週間食べさせて腹部内臓肥満になったラットに、鍼通電刺激(2/15Hz1.5mA20分間)を8週間(3/週)行った。

刺激部位は帯脈(GB-26)とした。

※帯脈は側腹部にあるツボ

【結果】

鍼通電刺激により肥満ラットの食事の摂取量、体重、ウエスト周径、内臓脂肪組織量が減少した。また、総コレステロール値、トリグリセリド(中性脂肪)値、空腹時血糖値、インスリン値も減少した。

インスリンの感受性、糖代謝、脂質代謝が改善した。

肥満ラットでは、ファーミキューテスが多く、バクテロイデスが少なかったが、鍼刺激後には、ファーミキューテスが減少し、バクテロイデスが増加した。また、プレボテラも増加した。

※プレボテラ:ヒトの消化酵素によって消化することができない食物繊維を分解する能力が高い細菌

【まとめ】

鍼通電刺激をうけた肥満ラットは食事量が低下して、内臓脂肪・体重が減少し、さらに血液中のコレステロールや中性脂肪・血糖が減少して、代謝系の改善がみられた。

鍼通電刺激は、肥満によって増えた「デブ菌」のファーミキューテスを減少させ、肥満によって減った「ヤセ菌」のバクテロイデスとプレボテラを増やした

鍼通電刺激は、肥満と腸内フローラの乱れを改善した。

潰瘍性大腸炎と腸内細菌叢、免疫機能に対する灸刺激の効果

『灸治療は潰瘍性大腸炎モデルラットの腸内フローラと免疫能を調整する』

Qi Q, Liu YN, Jin XM et al: Moxibustion treatment modulates the gut microbiota and immune function in a dextran sulphate sodium-induced colitis rat model. World J Gastroenterol. 24(28):3130-3144. 2018.

【方法】

潰瘍性大腸炎モデルラットに灸刺激(10分間,1回/日)を7日間あるいは14日間行った。

刺激部位は天枢(ST-25)とした。

【結果】

潰瘍性大腸炎モデルラットの大腸粘膜のダメージ(腸腺数の減少、粘膜・粘膜下層への炎症細胞の浸潤)が灸刺激で改善した(炎症細胞の減少、うっ血の減少)。

また、潰瘍性大腸炎モデルラットでは腸内細菌叢の多様性が減少していたが、灸刺激はこれを改善した。

【まとめ】

灸刺激は、腸内細菌叢の多様性の減少・構成の異常を改善し、潰瘍性大腸炎の腸粘膜のダメージを修復した。

 

『潰瘍性大腸炎に対する鍼通電と灸の効果に関するメカニズム』

Wei D, Xie L, Zhuang Z et al: Gut Microbiota: A New Strategy to Study the Mechanism of Electroacupuncture and Moxibustion in Treating Ulcerative Colitis. Evid Based Complement Alternat Med. 1; 2019: 9730176. 2019.

【方法】

潰瘍性大腸炎モデルマウスに、鍼通電刺激(2/15Hz,15分間)あるいは灸刺激を5日間行った。

刺激部位は関元(CV-4)、足三里(ST-36)とした。

【結果】

潰瘍性大腸炎モデルマウスの大腸粘膜のダメージが改善した。

腸内細菌叢(腸内フローラ)の多様性が改善した。

また、Th17/Tregのバランスが改善した。

※Treg細胞:免疫細胞のリンパ球の中のTreg細胞は、免疫反応を抑制する働きを持ち、自己免疫疾患や炎症性疾患、アレルギー疾患などの過剰な免疫反応を抑制している。

※Th17細胞:Th17細胞は、炎症を誘発して、関節リウマチや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)などの自己免疫疾患に関係していると言われている。

【まとめ】

鍼通電刺激と灸刺激は、腸内細菌の多様性、Treg細胞とTh17細胞のバランスを改善することで、大腸粘膜の炎症性病変を改善した可能性が考えられた。

 

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院長ごあいさつ

岩 昌宏

1987年 はり師・きゅう師免許 取得
1990年 教員免許 取得
2001年 博士(鍼灸学) 取得
2004年 アメリカDuke大学 研究留学


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