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鍼灸院みらい京都桂

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東洋医学とは

 アジア地域では古代よりインドのアーユルヴェーダやシッダ医学、アラビア半島のユナニ、モンゴル医学、チベット医学などその地域独自の医学が発祥・発展してきました。その中でも東洋医学とは、中国において、主に漢民族によって発展した伝統中国医学が、朝鮮半島や日本にも伝わり、それぞれ独自の発達を遂げた伝統医学の総称を言います。日本の医学は漢方医学(和漢方・和方) と呼ばれ、主に湯液(漢方薬)鍼灸療法が発展しました。したがって日本の鍼灸療法も古代中国で発祥・発展した伝統中国医学を基礎としています。

 東洋医学の特色を紹介します。古代中国では、古代中国人が自然現象を長期にわたって観察し、陰陽論五行論などの理論が考えだされ、天文歴、政治、道徳、医学その他すべての物事の基礎理論に応用されました。

陰陽論

 陰陽論は、世の万物はすべて陰と陽から成り立っていて、どちらか一方だけでは成り立たたないという考え方です。例えば能動的な性質が陽、受動的な性質が陰、男が陽、女が陰、昼が陽、夜が陰、春夏が陽、秋冬が陰、東南が陽、西北が陰、上昇が陽、下降が陰といったように、物質だけでなくすべての事象に当てはめています。この陰と陽の二気はたえず増えたり減ったり変化し、陰と陽の二気が調和して自然の秩序が保たれていると考えられました。現在でも陽気な人、陰気な人、山陽、山陰など陰陽のつく言葉は多く使われています。鍼灸療法においても、高ぶりすぎた(亢進した)気を静めたり、落ち込んだ(低下した)気を高めて、陰陽のバランスを調整することを目的としています。

五行論

 

 

 

 

 

 

 

 五行論は、万物は木・火・土・金・水の 5 種類の元素から成るという理論です。例えば季節では、木は春、火は夏、土は長夏、金は秋、水は冬があてはまります。五味といって味については、木は酸、火は苦、土は甘、金は辛、水は鹹(塩辛い)があてはまり、薬膳に用いられています。医学的には「五臓六腑にしみわたる」の五臓六腑にも五行があてはめられています。木は肝、火は心、土は脾、金は肺、水は腎があてはまります。

 五行論には相生関係相剋関係の2つの規則があります。

 相生関係(青の矢印)とは、生む、助ける関係のことです。

木は火を生じる,火は土を生じる,土は金を生じる

金は水を生じる,水は木を生じる

 相剋の関係(赤の矢印)とは、抑制する関係のことです。

木は土を抑制する,土は水を抑制する,水は火を抑制する

火は金を抑制する,金は木を抑制する

 
 
五臓(肝・心・脾・肺・腎 )

 五臓は現代でいう肝臓や心臓などの臓器とは違います。例えば肝の臓は、血をためる、気をめぐらせる、精神活動を調節する機能、脾の臓は消化吸収機能、腎の臓は成長・発育・生殖などの機能があると考えられていました。江戸時代に腑わけ(解剖)が行われるようになり、臓器の名称を決める際に五臓の名称があてはめられました。

 東洋医学では内臓を単に解剖学的な内臓としてではなく、さまざまな物質代謝や精神活動と関連した機能単位としてとらえています。

 五臓に五行論のルールを当てはめますと、例えば相生の関係では、腎がしっかりしていて、肝がよくなれば、心もよくなる、相剋の関係では、肺の影響があって肝を害すれば、脾も悪くなると考えます。したがって、肝の機能が低下している場合には、肝だけでなく腎の治療も行ったり(相生)、逆に肝の機能が亢進して脾に悪影響が及ばないように脾の治療も行います(相剋)。

黄帝内経

 

 『黄帝内経は現存する中国最古の医書といわれ、2,000年前(前漢・後漢の時代)に書かれたもので、鍼灸療法の原典でもあります。もともとは『鍼経』(9巻)と『素問』(9巻)があったとされていますが散逸してしまい、現在には唐の時代に王冰の編纂した『素問』と『霊枢』が元になったものが伝えられています。伝説上の黄帝と師である岐伯との問答形式で書かれています。

 黄帝内経の重要な考え方として、①人体を心も含めて一つの統一体として全体的にとらえる(臓器だけをみる現代医学と反する考え方)、②天人相応(人は自然界(環境因子)と関係して生きている)、③陰陽(人の健康は陰陽のバランスが保たれた状態である)、④気の重要性(体の中の気を保つことで病気を防ぐ)、⑤未病(予防)の重要性などがあります。最近、未病という言葉を聞かれたことがある方も多いかと思います。未病という言葉が最初に記載されたものが黄帝内経です。『聖人不治已病治未病』という記載があり、聖人とは優れた医者、已病(いびょう)とはすでに病気が出来上がった状態を意味し、「優れた医者は病気を治療するのではなく、病気の前段階を治療して防ぐ」という意味になります。2,000年前の時代にすでに予防の重要性が説かれています。黄帝内経では、病気だけをとりあげるのではなく、人の食事や生活習慣、住んでいる環境、季節なども考慮し、自然のルールに従って生活することでQOL(生活の質)を高めて病気を未然に防ぐことの重要性を指摘しています。

  • 有機体としての人体

人体を一個の有機的な統一体として考える。

  • 人と天地の相応

人は自然界(環境因子)との交流の中で生かされている。

  • 陰陽のバランス

健康な状態=陰陽のバランスが保たれた状態

  • 正気と邪気

邪(内邪と外邪)に対処するよりも、正気を補い邪に負けないようにすることが重要。

  • 予防は最大の治療

未病(予防)の重要性

 

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岩 昌宏

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